はじめに
プリンターの購入を検討しているものの、「どの機種を選べばいいのかわからない」「安いプリンターは失敗するのでは?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、予算を抑えながら自分に合ったプリンターを選ぶためのポイントを詳しく解説します。
1. プリンター選びの基本:まず決めるべき3つのこと
①予算の設定
- エントリーモデル:5,000円~15,000円
- スタンダードモデル:15,000円~30,000円
- 高機能モデル:30,000円以上
初めてプリンターを購入する方には、1万円~2万円程度のスタンダードモデルがおすすめです。本体価格だけでなく、ランニングコストも考慮に入れることが重要です。
②印刷の用途
- 文書中心:モノクロプリンターで十分
- 写真も印刷:カラープリンターが必要
- スキャンやコピーも:複合機がおすすめ
用途を明確にすることで、必要な機能が絞り込め、余計な出費を抑えることができます。
③使用頻度の見極め
- 月に数回程度:エントリーモデルで十分
- 週に数回程度:スタンダードモデルが最適
- ほぼ毎日使用:高機能モデルの検討を
2. 安いプリンターを選ぶ際の5つの注意点
①インク代を必ず確認!思わぬ落とし穴に注意
主要メーカーの純正インク価格例:
- 標準タイプ
- 4色一体型:3,000円~4,500円
- 印刷可能枚数:約300~400枚
- 1枚あたり約10~15円
- 独立タイプ(色別)
- ブラック:1,500円~2,000円(約400枚)
- カラー各色:1,200円~1,800円(約300枚)
- 4色フルセット購入の場合:5,000円~7,000円程度
- 大容量タイプ
- ブラック:2,500円~3,500円(約800枚)
- カラー各色:2,000円~3,000円(約700枚)
- 4色フルセット:8,000円~12,000円程度
年間のインク代の目安(月30枚印刷の場合):
- 標準タイプ:年間12,000円~18,000円
- 大容量タイプ:年間8,000円~12,000円
- エコタンク式:年間1,000円~2,000円
要注意!隠れたコスト
- 初期セットアップ時のインク消費
- プリンター購入直後の初期設定で、付属インクの約30~40%を消費
- 実質的な印刷可能枚数は表示より少なくなる
- クリーニング時のインク消費
- 定期的なヘッドクリーニングで意外とインクを消費
- 月に1~2回程度は必要
- 長期間未使用の影響
- インクが乾燥する可能性
- 再開時のクリーニングでインクを大量消費
②必要な機能を見極める
基本機能:
- 印刷速度(モノクロ:8~20枚/分、カラー:4~15枚/分)
- 印刷品質(文書用:600dpi、写真用:1200dpi以上)
- 用紙サイズ対応(A4まで対応が一般的)
追加機能の必要性を検討:
- 無線LAN接続:スマートフォンからの印刷に便利
- 自動両面印刷:用紙代の節約に効果的
- モバイル印刷対応:外出先からの印刷が可能
- スキャン機能:書類の電子化に必須
- コピー機能:簡単な複写に便利
③メーカーのサポート体制
重要確認ポイント:
- 製品保証期間(標準1年、延長保証の有無)
- 電話サポートの受付時間
- オンラインサポートの充実度
- 修理対応の速さと費用
- 代替機の貸出サービス有無
④省スペース性
設置場所の確認:
- 標準的なサイズ:幅40cm×奥行き40cm×高さ20cm程度
- コンパクトモデル:幅35cm×奥行き35cm×高さ15cm程度
- 用紙トレイ使用時の必要スペース
- 背面の配線スペース
⑤印刷品質と速度
印刷品質の基準:
- 文書印刷:600dpi以上
- 写真印刷:1200dpi以上推奨
- にじみ・かすれの少なさ
- 色の再現性
印刷速度の目安:
- モノクロ文書:10枚/分以上
- カラー文書:6枚/分以上
- 写真印刷:L判1枚 約60秒
3. おすすめの選び方:用途別詳細ガイド
家庭用として選ぶ場合
推奨スペック:
- 価格帯:15,000円前後
- 印刷速度:モノクロ10枚/分以上
- 必須機能:
- Wi-Fi接続
- スマホ印刷対応
- スキャン機能
- 自動両面印刷
- 推奨インク:独立型インク(色別交換可能)
学生向けとして選ぶ場合
推奨スペック:
- 価格帯:10,000円前後
- 印刷速度:モノクロ8枚/分以上
- 必須機能:
- USB接続
- コンパクトサイズ
- 推奨インク:モノクロ専用か4色一体型
写真印刷重視の場合
推奨スペック:
- 価格帯:20,000円前後
- 解像度:4800dpi以上
- 必須機能:
- 6色インク対応
- フチなし印刷
- 専用写真用紙対応
- 推奨インク:独立型高品質インク
4. ランニングコストを抑えるための詳細ガイド
エコタンク式プリンターの特徴
- 本体価格:25,000円~35,000円
- インク代:
- 純正インクボトル:1色1,500円程度
- 印刷可能枚数:約6,000~7,000枚
- 1枚あたり約0.5~1円
- メリット
- 大幅なランニングコスト削減
- インク補充が簡単
- 環境負荷が少ない
- デメリット
- 初期投資が大きい
- 本体が大きめ
- 印刷品質は標準的
互換インクのメリット・デメリット
メリット:
- 価格が純正の1/3~1/5
- 4色セット:1,000円~2,000円
- 種類が豊富
デメリット:
- 品質にばらつきがある
- 保証対象外の可能性
- プリンターヘッドへの影響リスク
コスト削減のための使用テクニック
- 印刷設定の最適化
- 下書きモードの活用(インク消費量50%減)
- モノクロ印刷の優先使用
- 両面印刷の積極活用
- メンテナンス方法
- 定期的な印刷で目詰まり防止
- 適切なクリーニング間隔の設定
- 使用しない時の電源オフ
- 用紙の選び方
- 用途に応じた適切な用紙選択
- 大容量パックの活用
- 両面印刷可能な用紙の使用
5. 購入前の最終チェックリスト詳細
□ 本体価格の確認
- 予算内におさまっているか
- セール時期の確認
- 付属品の有無
□ ランニングコストの試算
- 月間印刷枚数の見積もり
- インク価格と交換頻度
- 電気代の概算
- 用紙代の試算
□ 機能面のチェック
- 必要な基本機能の確認
- 追加機能の必要性判断
- 将来的な使用シーンの想定
□ 設置環境の確認
- 設置スペースの測定
- 電源の確保
- Wi-Fi環境の確認(必要な場合)
□ サポート体制の確認
- 保証内容の確認
- サポート窓口の営業時間
- 修理対応の確認
□ 口コミ・レビューのチェック
- 実際の使用感
- 故障率や耐久性
- カスタマーサポートの評判
まとめ
プリンター選びでは、本体価格だけでなく、インク代などのランニングコストや機能面もしっかりと検討することが重要です。特にインク代は年間で本体価格を上回ることも多いため、長期的な視点での選択が必要です。
この記事で紹介したポイントを参考に、自分の用途や予算に合った最適なプリンターを見つけてください。初期費用を抑えすぎて、使い勝手の悪いものを選んでしまっては本末転倒です。賢い選び方で、後悔のない購入を実現しましょう。